タイトルに意味は無いです、はい 戦争の法
佐藤亜紀
ブッキング
一度新潮社から出ていたのですが、とある事情で廃刊となり、それがブッキングから復刊されました。とある事情というのは、著者が新潮社と縁を切るというものだったのですが、詳しいことは、『鏡の影』『佐藤亜紀』『日蝕』『芥川賞』『平野啓一郎』あたりでぐぐればでてくるかと……
1975年、日本。N***県は共産主義国として日本から独立、町にはソ連兵が常駐するようになった。元資本家として県を逃亡した父と、違法酒販売・売春宿を経営している母を持つ主人公は、町にいられなくなる事件を起こし、幼馴染の千秋とゲリラの一員となる。そこには伍長と呼ばれる運を味方につけたようなゲリラがいた。
……こう書くと、泥臭い話に見えますが、著者の語り口調が淡々としているためか、泥臭さは感じません。最初の方から笑わせてもらいました。お涙頂戴ストーリーが好きな方や、主人公の「私」がいう、ページの真ん中に見えない水平線があり、それから下はほとんど書いていない本に慣れている人にはつらいかも。
個人的に面白かった箇所は、フビライの腕の腕時計と伍長の最後のシーンです。戦争に関しては……著者の書いている戦争の雰囲気がそのまま戦争の雰囲気であるとは思いませんが、少なくとも、ゲリラに関しては同意できるなぁ。
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